バンコクのチャオプラヤー川沿いに佇む、細やかな装飾を施した白亜の仏塔が美しい王室寺院「ワット・アルン」
バンコクを悠々と流れる大河チャオプラヤー川のほとりに佇む寺院「ワット・アルン」(正式名称:ワット・アルンラーチャワラーラーム)。ワット=寺、アルン=暁という意味で、三島由紀夫の小説「暁の寺」の舞台になったことでもあまりに有名な寺院です。バンコクを代表する三大寺院のひとつです。2013年から長い間行われていた改修工事が2017年8月に終了し、真っ白い姿へと生まれ変わり、さらに多くの人々の心を惹き付けるようになりました。初めてバンコクを訪れるゴルファーの方はもちろん、以前訪れたことがあるという方も、ぜひバンコク観光のハイライトでもある「ワット・アルン」は、マストで訪れるべき場所です。
長い改装を終えて2017年、白く輝く仏塔へと生まれ変わった「ワット・アルン」
古い歴史を持つラーマ2世の菩提寺
さて、改めて、「ワット・アルン」の歴史についてご紹介しましょう。もともと「ワット・マコーク」として建立され、その後「ワット・マコークノーク」、「ワット・マコークナイ」と名前が変わってきましたが、1767年にアユタヤ王朝が滅亡した後、ワット・ジェーンという名称に変わり、トンブリー王朝の王室寺院となりました。1779年には、ヴィエンチャン王国(現ラオス)を攻略して持ち帰ったエメラルド仏が安置されましたが、1782年に現王朝・チャクリー王朝が始まると、エメラルド仏は新たに建立されたワット・プラケオ(エメラルド寺院)へと移動。ワット・ジェーンはその後の1820年、ラーマ2世によって「ワット・アルン」へと名称が変更され、ラーマ2世の菩提寺となりました。
格式高いタイ王室一級寺院。ラーマ2世の遺骨も収められています。ノースリーブ、タンクトップ、ショートパンツなど肌の露出が多い服装では拝観できません。上に羽織るものを持参しましょう
須弥山を表した高さ70mを誇る大仏塔
特徴的なのは、高さ75mもの高さを誇る大仏塔。そして、この大仏塔の周りを4つの塔が取り囲んでいますが、これは須弥山を表しているのだそうです。ちなみに須弥山とは、仏教やヒンドゥー教の仏教宇宙観において、世界の中心にそびえていると考えられている山のこと。
仏教宇宙観では世界の中心に位置すると考えられている須弥山を表した仏塔
白い塔の基壇の部分は、ヤック(鬼神)、ガルーダ(神鳥)やハヌマーン(神猿)といったタイの叙事詩「ラーマキエン」に登場する神々が装飾されています。また、塔をびっしりと彩り尽くすカラフルなモザイクが美しく、非常にフォトジェニックです。
「ラーマヤーナ」に登場する神々が装飾された塔
美しいモザイクは、まさにフォトジェニック
朝焼け、夕陽に包まれる神々しいシルエットに息を飲む
「ワット・アルン」へのアクセスですが、BTSサパーンタクシン駅を降りてすぐの場所にあるサパーンタクシン船着き場から水上ボート「チャオプラヤー・エクスプレス」に乗るか、ワット・アルンの対岸から渡し船に乗って向かいます。チャオプラヤー川から眺める「ワット・アルン」の神々しさは格別。特に朝焼けや、夕陽に包まれるシルエットは息を呑む美しさです。日が落ちた後は、「ワット・アルン」を臨む対岸のレストランやバーでライトアップされた神秘的な姿を堪能しましょう。
夜間は対岸のバーやレストランで、ライトアップされた姿を鑑賞してみては?
【データ】
名称:Wat Arun(暁の寺)
住所:158 Thanon Wan Doem,Wat Arun,Bangkok Yai,Bangkok
TEL:02-891-2185
時間:8:30〜18:00
料金:50B
URL:https://www.watarun1.com/th
MAP:Googleマップで確認
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