ここは異世界か!?タイ最強のコンセプトバー「マギー・チューズ」

お酒のCMや広告を見慣れた日本人には不思議かもしれないが、タイではアルコールに関連した宣伝ができない。というのも政府に規制されているためなのだ。アルコールを楽しむための最新情報を集めるのは意外に難しい。

そんなバンコクで昨今、タイ人のヤングエグゼクティブや外国人ビジネスマンに好まれるバー・レストランがいくつか登場している。特にコンセプトに従ったデザインや営業形態を持つ店の人気が高い。

そこでおすすめしたいのが、ここ「マギー・チューズ」である。オフィスビルに囲まれたシーロム通りは、タイでも最大のビジネス街。そこのビジネスマンが足を運ぶ場所で、日本人客が少ないため、店のコンセプトに浸って飲める、バンコクでも貴重なバー・レストランだ。

マギー・チューズとはいったいどんな店なのか。あらためて紹介していこう。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の「OLD FASHION」とおつまみ
欧米のビジネスマンが多い「マギー・チューズ」はカクテルが本格的。

銀座のコンセプト・バーを手がけたデザイナー

「マギー・チューズ」はシーロム通りのホテル「ノボテル・フェニックス・ホテル」の地下にある。一見ホテル併設のバーのようだが、実は非常に凝ったコンセプトを持つことで知られる。

店内の雰囲気は『1930年代の租界時代の上海、東インド会社の銀行の地下金庫』といった内装で、店内にはブランコなどのオブジェがあり、21時ごろからチャイナドレスに身を包んだ美しい女性たちが、そういったオブジェに座ったり、カウンターの上のスペースに寝そべる。まさに戦前・戦時中の混沌とした上海を思わせる雰囲気がある。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の入り口
入り口からコンセプトを漂わせている。

女性が現れ始めるころには生バンドの演奏も入る。これらはあまり騒々しいものではなく、30代40代以上の静かに飲みたい世代にも悪くない音量や音楽チョイスだ。

これらのコンセプトはオーストラリア出身のコンセプター兼デザイナーのアシュリー・サットン氏が手がけたものだ。この名前を聞いてぴんときた人もいるかもしれない。というのは、氏が手がけた鉄鋼の妖精をモチーフにしたバー・レストラン「アイアン・フェアリーズ」がバンコクならトンロー通り、ほかには香港にもあるが、2015年には銀座にも進出している(銀座が2号店、香港が3号店)。

このデザイナーのバー・レストランは徹底的に練り上げられたコンセプトと、それに合った内装や経営が特徴で、マギー・チューズもまた大人のテーマパークのような場所なのである。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」で演奏するバンド
取材時のバンドは欧米人のプレイヤーと、タイ人男性。フィリピン人女性の歌い手だった。

店側が客を選ぶことのメリット

マギー・チューズは決して安いとは言えないバーだ。その代わり、雰囲気が抜群だ。メニューを見ても++と料金の後ろに書かれる。これはサービスチャージ10%とVAT(消費税のようなもの)が7%かかるという意味。そのため、支払総額はやや高くなり、店が客を選ぶような状態だ。これのおかげで、逆に店のコンセプトが乱されることなく、また客層もタイ人や欧米のヤンエグたちばかりになるというメリットもある。

それから、高級バーに分類されるため、バーテンダーの質も高い。タイの普通のバーでは見よう見まねでカクテルを作るバーテンが多いが、ここはしっかりとした教育を受けた者がカウンター内に立つ。そのため、例えばイメージを伝えるだけで、それに見合ったカクテルを作ってくれる。

タイ人男性はヤンエグでもビールあるいはウィスキーを好むらしいが、中にはカクテルを頼む人もいる。そんなタイ人ヤンエグに人気のカクテルをバーテンに紹介してもらった。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の店内
暗い店内は雰囲気がある。21時ごろからチャイナドレスの女性が店内に現れる。

タイ人男性は強いカクテルがお好き?

タイ人ヤンエグはコストパフォーマンスを重視してか、弱めのカクテルはあまり好まないようだ。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」のおつまみ
バー・レストランなので料理もある。つまみもタイっぽさのあるものが用意されている。

そんな中で人気なのがまず「OLD FASHION」(280THB++)だ。ウィスキーベースで、確かにアルコール度数がかなり強い。ただ、柑橘類の皮が搾ってあったので、爽やかな後口。意外と飲めるカクテルだった。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の「OLD FASHION」
「OLD FASHION」は空腹にはガツンとくるほどのアルコールの強さがあった。

もうひとつは「NEQRONI」(280THB++)だった。こちらもやはり柑橘果物の皮によって強いながらもずいぶんと鼻に抜ける香りがよかった。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の「NEQRONI」
「NEQRONI」も柑橘類のピール的なもので香りは爽やか。

タイ人女性に好まれるカクテルとして作ってもらったのは「GIN FIZZ」(280THB++)。ミルクを少し入れていて真っ白な液体は酸味があったが、アルコール度数は先の2種類より強くないと感じた。とはいえ、女性が飲むものにしてはそれなりに強いのだが。

タイでのゴルフの後の1杯。バンコクのバー「マギーチューズ」の「GIN FIZZ」
女性向けのカクテルとして紹介されたのが「GIN FIZZ」。

こういったカクテルを実際に飲んでみて思ったのが、この店のタイ人バーテンダーの知識はかなり豊富だということだ。シェイカーを振る姿も決まっていたし、店のコンセプトにもしっかりマッチしている。

同じデザイナーの店であるアイアン・フェアリーズが女性向きコンセプト・バー・レストランとすれば、マギー・チューズは男性向きのバーだ。異世界でゆっくりと飲みたい人は、ぜひともここマギー・チューズに足を運んでみてほしい。

【データ】
名称:MAGGIE CHOO’S
住所:320 Silom Rd. Bangrak Bangkok
時間:19:30~2:00
定休:なし
最寄り駅:BTSスラサック駅(徒歩)、BTSチョンノンシー駅(タクシーなど)
URL:http://www.maggiechoos.com/
地図:Googleマップで確認

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