タイの真のフルーツ・キングはマンゴーだ!バンコク最上級の甘味で暑さも吹っ飛ぶ
タイが人気なのは様々な観光スポットやゴルフコースなどがある以外に、やはり食事がおいしいという、旅行には欠かせない大きな要因があることだろう。注目されるのはタイ料理や、日本よりも安く食べられる本格的な欧米の料理だが、忘れてはいけないのはフルーツである。
果物の王様と言えば「ドリアン」が常識かもしれない。しかし、タイにおいて本当の王座にいるフルーツは「マンゴー」である。甘酸っぱく、ゼリーのように口の中で溶けていくその様を嫌いだと言う人はこの世に存在するのだろうか。
バンコクでは今マンゴーは1年中食べられるものになった。その中でも特におすすめのマンゴー・スイーツを紹介したい。
甘いもち米と一緒に食べる一番人気のスイーツ
日中は灼熱地獄のタイでは身体の水分が不足しがちだ。水を飲むだけでも充分に効果的だが、疲れを同時に癒やしたければ水分と同時に「甘味」も取り込みたいところ。かといって、男性の場合はスイーツには手を出しにくい。
だからこそ、タイでおすすめしたいのがフルーツになる。タイは1年を通して常になにかしらのフルーツがハイシーズンである。そのため、瑞々しくて甘いフルーツばかりだし、豊かな土壌で育てられた大量のフルーツはどれも安い。
その中でも日本では高級すぎて味わうにはためらってしまうフルーツのひとつが「マンゴー」だ。
タイは生フルーツのジュース店も多く、マンゴーのシェイクは人気がある。
元々タイでマンゴーのハイシーズンは夏真っ盛りのころである。タイの夏は日本より早く4月5月になる。バンコクの気の早い店では3月に入るとマンゴー・スイーツのプロモーションを始めるし、4月になればほとんどのレストランがマンゴーのデザートなどを用意する。
ハイシーズンに入ったマンゴーは金貨のように美しい黄色に染まる。見るからに熟れたその実は果汁がしたたって熱で溶けてしまいそうなほど潤っている。香りも芳醇で、あとほんの1mmでも先に進んでしまうと下品になるのではないかというほど最大限に甘い匂いを発している。
マンゴー・シェイクはとろみがあって、濃厚な味わいが楽しめる。
このシーズンにタイ人が楽しみにするマンゴー・スイーツは「カオニャオ・マムアン」だ。カオニャオはもち米のことで、マムアンはタイ語のマンゴーを指す。日本人は初見では「もち米?」という気持ちになるだろう。
実際に実物を見ると米粒が際立っている。日本でも和菓子のひとつとして「餅」を食べるわけで、もち米がスイーツになっていることは不思議ではない。ただ、タイは突いていないもち米そのものなので、一瞬怯んでしまう人もいるだろう。
日本にもある「マンゴツリー」というレストランの上品な「カオニャオ・マムアン」とマンゴー・シェイク。
しかし、もち米にはココナッツミルクがふんだんに使われていて、食事時に食べるもち米とはワケが違う。非常に甘くて、ちょっと油ギッシュでかなり高カロリーなものになる。これを甘酸っぱいマンゴーを合わせることで、えも言われぬ甘味に至福の瞬間が訪れるのだ。ときにココナッツアイスが添えられる店もあるが、冷えてないカオニャオ・マムアンでも清涼感が体中を駆け巡る。
このカオニャオ・マムアンは伝統的なタイ・スイーツで、高級レストランでも扱われる。安く食べたければシーズンにタイを訪れれば屋台でも食べることができる。
屋台で売られる伝統スイーツ「カオニャオ・マムアン」。
マンゴー・スイーツを味わえる人気店
そんなマンゴーだが、2000年代に入ってから徐々に農業技術が発達し、かつ扱う農家も増えてきたため、年間を通して熟したマンゴーが供給されるようになった。おかげでカオニャオ・マムアンもちょっとだけありがたみが少なくなってしまったのが残念である。
発展著しいバンコクは特に飲食店の種類が増えていて、マンゴーを楽しめる店も少なくない。伝統スイーツだけでなく、若い人が考案した新しいマンゴー・スイーツもたくさんある。どれも100バーツ台からメニューがあるので、懐にも優しい。
ここでは気軽に立ち寄れるバンコクのおすすめマンゴー・スイーツ店を2軒ほどピックアップして紹介したい。
・マンゴー・タンゴ(Mango Tango)
2001年に創業した、今やタイのマンゴー・スイーツ界の老舗店「マンゴー・タンゴ」だ。本店はバンコクの原宿などとかつては呼ばれた若者の街「サイアム・スクエア」のソイ3にある。
マンゴーばかりのメニューで、どれも創作的なスイーツになっている。やはりここを訪れる客層は女性が多い。しかし、タイはあまり他人を気にしないので、中には男性客も堂々ひとりで訪れ、マンゴーの深い甘味を体験している。
マンゴーのプリン「マンゴー・ツイスト」はプリンながらも味が濃いめで非常におすすめだ。生クリームがたっぷり載ったパフェ「マンゴー・パフェ」は実はクリームの甘さは控えめ。下にはマンゴーの果実と甘酸っぱいマンゴーのアイス、そしてコーンフレークがある。甘さと食感のパーティーが楽しめる。
「マンゴー・タンゴ」で食べた濃厚プリンの「マンゴー・ツイスト」。
「マンゴー・パフェ」は見た目ほどは甘くない、大人のパフェ。あくまでも見た目ほどは、である。
・イェンリー・ヨアーズ(Yenly Yours)
この店は座席数の少ないスタンド形式の店になるのだが、今、特にバンコクでは急激に店舗数を増やしている。特にセントラル・デパート系列を中心に、様々な商業施設にある。メニューには日本語が併記されているのもおすすめの理由である。
とにかく安いし、マンゴーの甘さを最大限に活かしたスイーツばかり。そのうち日本にも進出するのではないかと思わせるレベルだ。シェイクなどはカップの蓋を超えるほどなみなみと入れてくれるし、お得感もいい。
「イェンリー・ヨアーズ」は今バンコクで一番人気のマンゴー・スイーツ店。
「マンゴー・スムージーとマンゴー・プディング」は人気上位らしいが、正直ココナッツミルクにマンゴーの味が持って行かれてしまっているし、構成としてはカオニャオ・マムアンに近い。
「イェンリー・ヨアーズ」の「マンゴー・スムージーとマンゴー・プディング」。
それであればこの店では「特製マンゴー・スムージーとマンゴー・ゼリー」をおすすめする。実際この店の売れ筋なのだとか。下にはマンゴーゼリーが入り、上がスムージー。見た目よりは甘さが控えめで男性にも向いている。
「イェンリー・ヨアーズ」の「特製マンゴー・スムージーとマンゴー・ゼリー」。
バンコクに来たらマンゴー。身体が暑さで悲鳴をあげたらぜひともこのマンゴー・スイーツを堪能してほしい。
「チャオグアイ」という仙草ゼリーを添えたマンゴー・スイーツもタイの伝統甘味だ。
【データ】
名称:Mango Tango
URL:http://www.mymangotango.com/
名称:Yenly Yours
URL:https://www.facebook.com/yenlyyoursdessert/
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