夕方からインスタ映えるバンコクの新名所「タラート・ロットファイ」!
バンコクの日中は12月下旬の涼しい季節でも日本人にとっては灼熱だ。それでも旅行に来た日本人は限られた時間、忙しなく動き回る。タイ人はよく平気だなと思うことだろう。ところが、暑さに慣れたタイ人であっても日中は大人しくしているのが普通だったりするのだ。だから、タイ人たちは暑気を避け、早朝か夕方に外に出かける。
そんなタイ人が夜になって出かける先がナイトバザールだ。地方都市はどこにでも夕方から深夜にかけて賑わう夜のマーケットがある。意外なことにバンコク中心部にはそんなナイトバザールが少なかった。特にタイ人御用達の夜のプレイスポットはほとんどなかったと言ってもいい。
変化が起き始めたのは2015年ごろから。バンコクでも夜市の人気が出始め、各所に夜な夜なタイ人が集まるマーケットが出てきている。その先駆けともいえるスポットが「タラート・ロットファイ」、日本人には「鉄道市場」と呼ばれナイトバザールだ。
朝のうちはゴルフを楽しんで、夜涼しくなってから出かけるには最適なスポットの一つと言えるだろう。
ラチャダーの「タラート・ロットファイ」では飲食店を楽しむべき。
インスタ映えすることで世界的に有名に
「タラート・ロットファイ」はラチャダーピセーク通りの商業施設「エスプラネード」の裏手にある。当初はタイ人が集うナイトマーケットだったが、いつしか世界中に知られるスポットになった。それは時代の流れに乗ったからである。
この「タラート・ロットファイ・ラチャダー」はいわゆるインスタ映えするスポットとして有名なのだ。
隣の商業施設に併設される立体駐車場の4階以上からタラート・ロットファイを見下ろすと、この市場で商いをする各店舗の正方形のテントがずらりと並んでいるからだ。これが店舗の白熱灯によって赤や黄色などのカラフルな色が浮き上がり、実に壮観なのである。
この景色は写真では伝わらない迫力がある。実際に足を運んで駐車場から見下ろすと、市場の喧騒がぐわりと押し寄せてきて、人々が楽しんでいるオーラが伝わってくる。まずマーケットを訪れたら、駐車場から外の景色を見てほしい。
有名になったのはこの景色が見られるから。
鉄道市場は実は列車は関係なかった!?
タラート・ロットファイ=鉄道市場に来ると多くの人が「どこにも列車がない!」と思うだろう。「ロットファイ」とはまさしく列車、あるいは鉄道という意味なのだが、ここには鉄道関係のオブジェすらない。
というのは、運営側に電話確認すると「ただの名称です」ということで、特に列車とは関係がないのである。
公式な来歴は公表されていないが、「列車」という名称がついているのにはふたつの説がある。
まずひとつめは単純で、最初にこの市場ができたのがタイ国鉄からの借地にあったという説だ。
シーナカリンの「タラート・ロットファイ」は週末しか営業していない。
もうひとつは、創始者の名前に由来する説である。パイロート・ローイゲーウという、「チャトチャック・ウィークエンドマーケット」にてアンティーク店を営んでいたタイ人男性のニックネームが「ロート」で、外国人は彼を「ロット」と呼んでいたという。そして、彼の曲がることなくぶつかっていくストレートな物言いをする性格と、ロット=車と呼ばれることを合わせ、市場の名称を「列車」にしたという説がある。
チャトチャック市場はご存知のようにタイ最大とされる週末市で、訪問客が多い。それを見込んだロート氏は同業者を集めて「タラート・ロットファイ・チャトチャック」をチャトチャック市場のそばに造った。しかし立ち退きを余儀なくされ、バンコクの東側にあるシーナカリン通りに移転。現在と変わらず、こちらは木曜から週末にかけてしか営業していないが、2013年ごろから地元民にじわじわと人気が出てきた。
そうして、2015年にラチャダーにも新たにタラート・ロットファイができ、インスタ映えすることが知られて、一気に外国人にも人気のスポットとして知られるようになっている。
シーナカリンの方が敷地が広く、見所も多い。
タラート・ロットファイの楽しみは食にあり
行きやすさで言えば、シーナカリンよりもラチャダーの方だ。MRTタイランド・カルチャーセンター駅の3番出口の前なので、安全かつリーズナブルに行ける。ただ、全貌を撮影したい場合は、エスプラネードは22時には閉館になるので、それまでに訪れたい。
タラート・ロットファイは飲食店と物販店で構成される。とはいえ、タイ人向けなので、物販は見るべきものはあまりない。もしこのマーケットの大元であるタイのアンティークを狙っている人はシーナカリンに向かった方が無難だ。
「タラート・ロットファイ」は元々はアンティークの市場だった。
一方で、食事は充実している。タイ料理はもちろん、シーフード、肉料理、韓国料理、洋食、和食となんでも揃う。買い食いレベルの店から、ディナーにふさわしい店まで数多くある。料金は市街の屋台よりは高いものの、驚くほどの設定でもない。外国人だからと言ってタイ人とは違う料金でもなく明朗会計だ。
タイ人にはスペアリブの店が人気だ。アメリカのルイジアナ発祥とされる、豚のスペアリブを豪快に手で掴むスタイルで、皿ではなくテーブルに紙を敷いて食べていく。シーフードなどセットなどいろいろ選べ、200バーツくらいからの料金設定となっていた。
「タラート・ロットファイ」の名物でもある、スペアリブの手づかみレストラン。
ほかにも鶏のから揚げ(チキンカツのようなタイプ)や牛串の店もあるなど、10バーツ程度から食べものが買える。ビールも売店で売られているので、安いつまみ片手に食べ歩いてもいい。また、しっかりとした店舗を構えたバー・レストランも物販エリアを取り囲むようにあるので、飲みに出かける場所としても向いている。
バンコクの涼しい夜を、タイ人の若い人たちの熱気に包まれて過ごすのもまたいい思い出になること間違いなしである。
牛串はわずか10バーツで食べられる。案外おいしい。
【データ】
名称:Talat Rotfai Ratchada(Train Night Market Ratchada)
住所:99 Soi6 Ratchadapisek Rd. Dingdeang Dingdeang Bangkok
時間:17:00~1:00
定休:なし
最寄り駅:MRTタイランド・カルチャーセンター駅
URL:https://www.facebook.com/taradrodfi.Ratchada/
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